漢方薬について
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漢方とは
まず、よく混同される「漢方」と「漢方薬」の違いについて確認しておきましょう。「漢方」とは、鍼灸や食養生も含めた医学を意味しており、「漢方薬」は、漢方医学の理論に基づいて処方される医薬品を指します。
漢方の基本となる考え方は、“人間の体も自然の一部”というものです。“病気ではなく病人をみる”、という考えで、体の一部分のみに注目するのではなく、体全体の状態のバランスを総合的に見直すという特徴があります。また、体質・気質や生活習慣などから見直し、整えていきます。
漢方の歴史
漢方は、6世紀頃に中国から伝来した中国医学が、日本の気候や日本人の体質に併せて改良され、独自に発展してきた日本の伝統医学です。「漢方」という呼び方が定着したのは江戸時代の後期あたりで、長崎から入ってきたオランダ系医学、「蘭方」に対する呼び方として使われるようになったと言われています。明治以降は、西洋医学に対して、中国医学を土台にした伝統的な日本の医学を指すものとして使用されています。
漢方の特徴
漢方には西洋医学と異なる特徴と効果があります。治りにくい病気や症状の中にも漢方が効果的なものが多くあり、慢性の病気でも、早ければ1~2週間、遅くともせいぜい2~3ヶ月程度の期間で、漢方の効果を実感できるケースがたくさんあります。また、漢方というと「長く飲み続けなければならない」というイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、必ずしも即効性がないわけではありません。
抗生剤などの西洋薬は、一つ一つの症状に対しては効果が現れやすいですが、効果が高い分、副作用も強くなります。
これに対し、漢方は一つの薬で様々な症状が改善するという特徴があります。漢方も副作用がまったくないわけではありませんが、一人ひとりの体質や気質に併せて処方するため、結果として副作用が少なくなる傾向にあります。また、漢方は、病名がついていない不調(未病)にもアプローチできるのも大きな特徴です。
漢方の必要性
科学的である西洋医学は客観的に分析されたもので画一された治療法を用いてすばらしい治療効果をあげています。西洋医学は高血圧、細菌感染など特定の原因、検査結果に対しては非常に優れた治療効果を発揮します。しかし、現代西洋医学をもってしても全ての病気や症状の原因を特定することは困難です。西洋医学をもってしても治らない、あるいは治りにくい病気や症状はまだ数多くあります。そのため、体質に由来する症状、検査に表れない不調には東洋医学的アプローチが奏功することが少なくありません。有名な病院にかかっても長年治らなかった病気や症状が漢方や鍼灸を用いることでウソのように良くなったという話が少なからずあるのが現実です。
つまり、西洋医学では治りにくい病気の中に漢方や鍼灸が効果的なものがたくさんあるのです。西洋医学と東洋医学はもともと異質なものです。同じ規準で比較するべきものではなく、比較できるものでもありません。そして、西洋医学も東洋医学も、それぞれに特徴があります。そこで近年世界的にも注目を浴びているのが統合医療という考え方です。西洋医学と東洋医学のそれぞれを上手に使い分け、併用することで、互いの長所を活かし、短所を補い合って病気に対応することができれば、よりよい効果をあげることが出来るのです。
漢方薬の剤形
剤形(ざいけい)とは、錠剤やカプセル剤といった、薬のかたちのことです。現在利用されている漢方薬のほとんどが飲み薬(内服薬)で、煎剤(せんじ薬)、顆粒剤、錠剤、散剤、丸剤などがあります。
ここではそれぞれの剤形の特徴と品質について、おおまかに述べてみます。
1、煎剤 生薬を混合した漢方薬を煎じて飲むものです。古来から使われてきた漢方薬の多くはこの剤形でした。煎じる工程に手間がかかったり、味や香りが強く飲みにくかったりしますが、漢方薬本来の効き目があります。良質の生薬を用いてつくった煎剤の効果は、漢方薬の中で最も優れていることが多いです。 |
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2、顆粒剤 煎剤のエキスや粉末などを固めて簡単に飲める粒状にしたものです。 エキス製剤は製造工程で薬効や味、香りが減少してしまいますが、強い味や香りが苦手な方には飲みやすい剤形です。 |
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3、散剤 生薬を粉末にしたもので、単味や複数混ぜ合わせて使用します。他の剤形よりも早い効果が期待されます。また香りの成分の服用に適しています。 中には粉末を煎じて飲むものなどがあります。 |
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4、丸剤(原末丸剤) 生薬の原末をそのまま蜂蜜や米粉などで練り合わせ固めたものが原末丸薬です。生薬の効果をそのまま詰め込んだ剤形です。エキス製剤の熱水抽出では生かせきれない生薬の薬効成分をそのまま利用するのが生薬原末の丸剤です。 ゆっくり溶けるので、効き目はゆっくり穏やか、持続的という特徴があり、慢性の症状をゆっくりと癒やす場合など、持続して長期にわたり薬効を望むときには、丸剤の形で用います。また、芳香性の精油成分・熱不安定成分・水に溶けにくい成分といった生薬の特性を活用できます。 |
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5、錠剤 煎じ薬を加工し、そのエキスを固形に固めたものです。薬局で多く扱われており、比較的安価で一般によく飲まれています。 |
当院併設の神戸六甲道漢方堂では、特に煎剤にこだわり、煎じ薬をおすすめしております。
煎剤は、漢方本来の形の上、液体のため体への吸収が良く、有効な成分を吸収しやすいのです。また、煎剤以外の製剤は工場で製造する際に、熱分解・酵素分解・精油成分の揮発など、有効成分の減少は避けて通れない(その結果、漢方薬の効果や性格が少し変わってしまう場合もあります。) のに対し、煎剤は、漢方処方の効果効能が減少することなくそのまま含まれ、煎じ薬の効能を最も発揮します。 また、味や香りが製剤より強く、飲みにくいと感じることもありますが、これらの味や香りも漢方薬の大切な構成要素であり、最大限有効利用することができます。
煎じ薬とエキス製剤の違いのイメージ
煎じ薬・エキス製剤比較表
ただし、煎じ薬がどうしても飲み辛いという方もいらっしゃるかと思います。そのような方もぜひ当院でご相談下さい。併設の漢方専門薬店では、厳選された生薬を使用した顆粒剤や原末丸剤も多数取り揃えております。
漢方薬を構成する生薬は、野菜と同様、質の良いものとそうでないものがあり、それによって価格は勿論、効果も大きく異なります。また、料理によって野菜の切り方を変える様に、生薬も刻み方(切り方)でも効果が変わってきます。生薬の原料が高騰し、良い生薬を使っているメーカーが少ない昨今、併設の漢方専門薬店では産地、質や刻み方までを考慮し、効果のより高い生薬を厳選して提供しております。
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※たんぽぽ茶 ショウキT-1Plusは医薬品ではありません。
漢方薬の品質
漢方薬の材料は自然の生薬(しょうやく=薬草)です。市販の果物などをみてもわかるように、自然の産物の品質は様々です。また、最近多く使用されている顆粒剤や錠剤などの製品には、各メーカーの特徴があらわれています。ですから、一口に漢方薬といっても、その品質は多様であり、もちろん効果のあらわれ方にも大きく影響します。当院併設の漢方薬店では、品質のより良い漢方薬を用いて効果をあげています。
顆粒剤の当帰芍薬散一回服用分の比較
漢方薬の顆粒剤は、たとえていえばインスタントコーヒーの漢方版です。いかに、元の煎剤(せんじ薬)の効果に近づくことができるかがポイントになります。比較の写真では、これが同じ漢方処方なのか、と疑うぐらいに見かけが違います。同じ飲むなら品質の良いものを飲みたいものです。
漢方薬の効き方
漢方には、病気の治療だけでなく、病気の予防や健康の維持・増進などのためにも役立つ、広い応用範囲があります。それぞれのケースについて、漢方薬の効果の出方を簡単に紹介してみましょう。なお、一人一人の状態はさまざまで、効果の出方も異なります。以下は大まかな目安と考えてください。
急性病
風邪などの身近な急性病には、速効性が期待できます。風邪のひき始めに、たった一服の葛根湯(かっこんとう)で良くなったという話は珍しくありません。一般的な急性病なら1~3日、急性病が少し長引いたものなら3~5日ほどで、治ることが多いものです。
慢性病
病気によりますが、2~3週間以内に効果に気づくケースがよくあります。ただし、効果が出るのが遅い場合、効果に気づきにくい場合、こじらせて治りにくい場合などがあるので、それぞれの状態によって、1つの薬を1~2ヶ月乃至2~3ヶ月程度は試してみるつもりでいるとよいでしょう。女性の月経に関する症状の場合は、遅くとも3、4回の月経の状態を観察すれば、効果のほどが分かります。効果的な漢方薬を見つけたら、必要な期間を続けて飲みましょう。
難病
いわゆる難病の中にも、漢方が効果的なものがあります。例えば、全身性エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎なども、漢方を試してみる価値があります。難病の場合、漢方薬の服用期間も長くなりがちです。まずは少し長めの観察期間をもって、効果があらわれるのを待ってみましょう。
体質改善
虚弱体質、アレルギー体質、冷え症などの体質改善にも、漢方は役に立ちます。持って生まれた体質に、加齢と、過ごしてきた環境の影響を受けて、長年かかって今の偏った体質が作られているのですから、その体質を改善するにも時間がかかります。症状が良くなっていくことを確かめながら長期的に続けましょう。
当院では、お一人おひとりに併せたオーダメイドの漢方薬を処方させていただきます。どんな小さなお悩みにも真摯に向き合わせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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近年、漢方薬や鍼灸などの伝統医療の評価は世界的にも高まっています(産経ニュース 2018.1.9)。
漢方薬や鍼灸など「伝統医療」WHOが認定へ 日本の漢方、地位向上へ
漢方薬や鍼灸(しんきゅう)など日本や中国の伝統医療が、今春にも開催される世界保健機関(WHO)の総会で認定される方針であることが8日、関係者への取材で分かった。具体的には、国際的に統一した基準で定められた疾病分類である「国際疾病分類」(ICD)に、伝統的な東洋医学の章が追加される。100年以上、西洋医学一辺倒だった世界の医療基準の転換点となるとともに、中国と異なり独自に発展してきた日本の伝統医療の再評価につながる。
関係者によると、WHOが伝統医療に注目したのは、同機関で扱う医療の統計が西洋に偏り、伝統医学での治療に依存しているアジアなどでほとんど統計が取られていないとされる「情報格差」を埋めることが目的にあるという。
ICDは1900(明治33)年に初めて国際会議で承認、日本でも同年に採用された。約10年ごとに改訂され、現在は全22章から成るが、日本や中国などに根差した「伝統医療」が新しい章として加わる。病名や患者の体質を示す「証(しょう)」が約300項目記載されるという。
ICDの作成にも携わった千葉大の並木隆雄診療教授(和漢診療学)は「WHOに公式に認められれば、日本の伝統医療の地位向上に役立つ。科学的な調査のもと、漢方の有効性も検討でき、成果は国民に大きく還元される」と話した。
日本の漢方は古代中国に起源があるものの、西洋医学と融合し、中国とは運用方法や処方の作り方も異なるなど独自の発展を遂げた。鍼灸も奈良時代に漢方とともに伝えられ、「日本の医療」として進化。特に中国はボールペンの芯ほどの太い鍼(はり)を使うが、日本は髪の毛ほどの細い鍼を使うところに特徴がある。
病気に対し狙いを絞って対処する西洋医学に対し、東洋医学では、病気は全身の体内バランスが崩れて起こるという考えを持ち、同じ症状でも患者の体質によって治療を変える。日本では昭和51年に147種の漢方エキス製剤が医療保険に適用。漢方医学は平成13年から医学教育に、14年からは薬学教育にも導入された。