令和8年3月8日に英ウィメンズクリニックで開催された【第72回子宝カウンセラーの会】統合医療生殖学会へ参加しました。
今回は「着床トラブル」そして「小卵胞採卵と着床」について学びを得ることができました。

医学博士 邵輝 先生
反復着床不全(一般的に良好な胚を3~4回移植しても妊娠に至らないこと)を引き起こすリスクや西洋医学・東洋医学の2つの観点から紐解いた研究内容を講演されました。
良質な受精卵でも30%は妊娠せず、その原因は慢性子宮内膜炎や粘膜下筋腫などさまざまです。免疫学的な問題も考えられる場合があり、春の花が咲き乱れる3月~5月は花粉症が妊娠低下につながる原因ではないか、という指摘には新たな視点を得ました。
東洋医学において、妊活女性には「湿熱」つまり体に余分な水(湿)と熱(熱)が停滞し、ドロドロとしている状態である、痰湿(たんしつ)タイプが多いと解説されました。「気」や「血」の流れを邪魔するので血流が悪くなり、湿熱がたまった場所によってさまざまな症状を引き起こします。漢方薬を用いて体質改善をすることで着床しやすい子宮内環境を作っていく大切さを解説されました。
病気・局所(臓器や組織)に注目する西洋医学に加えて、人・全体(心と体)に注目する東洋医学の統合治療は不妊治療の新たな選択肢となり、これから妊娠・出産を望まれる方の希望となると感じました。

英ウィメンズクリニックさんのみやクリニック 理事長 医師 塩谷 雅英 先生
「反復不成功・困難症例における小卵胞採卵」について講演されました。
反復不成功例に対して、新たなアプローチが発見されたという非常に有用な講演でした。多くの場合、卵胞の大きさが17〜18mm程度になった二日後の時点で採卵することが一般的とされていますが、今回はAMH(卵巣予備能)が0.05と極めて低く、通常のサイズでの採卵では受精すらできなかった34歳の女性が、12mmでの採卵に切り替えたことで初めて正常受精し、14回目の挑戦で出産に至った症例のお話でした。
採卵のトリガーの指標としてのP4:E2比 P4(黄体ホルモン):E2(卵胞ホルモン)比が非常に重要で、難治性や高齢の患者さんでは、卵子の力が弱いために卵胞が大きくなると制御が効かなくなり、P4が上昇(比率が1.0〜1.5以上に上昇)して卵胞環境が破綻するそうです。その為卵子の制御が効いている(P4:E2比が低い)小さいうちに採卵することが、良質な卵子を得る鍵となるという新しい指標を示して頂きました。
「妊活疲れ」といわれるほど不妊治療は体力的にも精神的にも負担を感じる方が少なくありません。同じことの繰り返しで不安になる患者に対し、卵巣刺激法や受精方法を変更するなど、常に新しい提案を行っているそうです。英ウィメンズクリニックでは、邵輝先生による漢方外来をはじめ、スマイルビクス(運動療法)、サプリメント、鍼灸、レーザー、各種カウンセリング(遺伝・心理・栄養など)を通じて、患者の折れそうな心を支え、通院のモチベーションを維持する体制を整えています。そして一人一人の患者さんと向き合い、寄り添いながらそれぞれに合った方法を一緒に検討されています。不妊治療でお悩みの方は、英ウィメンズクリニックでご相談されてみてはいかがでしょうか。

また、培養室を見学させていただく貴重な機会がありました。
胚盤胞の選び方の最新の動向やAIの活用について、お話を伺いました。最新の設備が整う環境を拝見し、不妊治療における技術の進歩を改めて実感しました。
今回の講演を通じて、西洋医学と東洋医学を組み合わせた統合治療の重要性を再確認しました。
「なかなか結果が出ない」と悩む症例に対しても、新たな選択肢が確実に広がっています。
不妊治療は心身ともに負担が大きいものですが、一人ひとりの状態に合わせたアプローチこそが、大きな希望になると感じています。
