皆さん、こんにちは!
7/8(土)に特別セミナーに参加してきました。講師は、プロサッカースペインリーグのRCDエスパニョールのチームドクターのナルシソ・アミゴ氏と、トレーナーのジョルディ・アラゴン氏です。スポーツ障害の治療に役立てるために参加しましたが、スペインリーグの手厚いバックアップ体制にはとても驚きました。
スペインリーグでは選手の怪我の予防と治療に関して、各選手のポジションや怪我の程度に合わせて体系的なメニューが設計されています。怪我の予防に関しては、統計的な分析を重ねて怪我の傾向を数値的に出すことで未然に防ぐことを徹底しており、治療とリハビリについては、選手のポジションごとに異なる治療・リハビリ内容が用意されているとのことでした。とにかくトレーニングや治療の効果を数値化し分析することを徹底しており、そのために様々な機器が用いられているそうです。また当院でも力を入れているエコー(超音波観察装置)を用いた筋・腱・靭帯等の軟部組織の観察をフィールドでも積極的に取り入れているそうです。
また、医師やトレーナーが組織的にチームをバックアップする体制がしっかりと整備されていることに大変驚きました。医師はチーム全体の状態を分析して練習量と休息の判断を下し、理学療法士や足専門医、鍼灸師、柔道整復師など個々の専門家やトレーナーはそれぞれの専門領域において選手の状態を分析し、サポートしています。また、大学等とも提携しているそうです。
後半は体幹トレーニングのレクチャーでした。体幹トレーニングは単なるトレーニングとしてだけでなく、選手の身体の状態を知る目安としても使われているそうです。例えば試合に出場したいために痛みを我慢して隠していたとしても、競技の動きに近い負荷の高い体幹トレーニングをさせることで、身体の状態を判断出来るということでした。今回は基本から応用まで実際に行われているトレーニングを見ることができ、貴重な経験になりました。
このようにスペインではトップ選手のバックアップ体制が医師やトレーナーをはじめとした専門家でしっかり組織化されており、また大学等も巻き込む形でサポート体制が確立しているのに比べ、日本のスポーツ界のサポート基盤はまだまだ脆弱であると言わざるを得ません。日本のスポーツ界をさらに世界に通用するものにしていくためには、日本人トレーナーも積極的に海外に行って先進的な取り組みや体制を学び、取り入れていく必要があると思いました。