2023.1.24

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不妊治療 保険適用⑤ 先進医療と特定不妊治療費助成金

日本の健康保険制度では、原則として保険診療と自由診療を同時に行う混合診療は認められていません。

ただし、先進医療を行う場合は保険診療と併用することができます。

先進医療の部分については自費での治療となりますが、この自費での治療についても助成金を出している自治体も出てきています。

今回は、不妊治療の混合診療と特定不妊治療費助成金についてまとめました。

 

 

混合診療可能!先進医療とは?

健康保険が適用できる治療法は、一定の有効性と安全性が確立されているものに限られており、まだ評価できない治療法については健康保険が適用されず、自費診療となります。

また、日本では原則として保険診療と自費診療の併用(混合診療)は認められていないため、混合診療となる場合は保険診療の部分も含めてすべて自己負担となります。

しかし、これでは費用を理由として最適な医療を受けられなくなるという弊害が生じてしまいます。

そこで、保険適用できるまでの有効性と安全性の評価はできないけれども、それを前提として評価段階にある先進医療については混合診療可能とされてます。

 

先進医療の種類

先進医療は、大きく先進医療Aと先進医療Bに分けられます。

先進医療A・・・科学的根拠などに基づき保険適用が強く推奨されたもの

先進医療B・・・推奨

Cについては「実施を考慮」中で、保険適用は現段階では見送りされる治療です。

 

不妊治療における先進医療は?

令和5年1月1日時点で先進医療として認められているのは、以下のとおりです。

先進医療の情報は逐次更新されていますので、最新の情報につきましては以下をご参照ください。

先進医療を実施している医療機関の一覧(厚生労働省HP)

 

先進医療A

  • 二段階胚移植術
  • 子宮内膜擦過術(通称、内膜スクラッチ法)
  • ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術(通称、PICSI法)
  • 子宮内膜受容能検査1、2(通称、ERA)
  • 子宮内細菌叢検査1、2(通称、EMMA/ALICE法)
  • 子宮内膜刺激術(通称、SEET法)
  • タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養
  • 強拡大顕微鏡を用いた形態学的精子選択術(通称、IMSI法)
  • 流死産検体を用いた遺伝子検査

 

先進医療B

  • タクロリムス投与療法 不妊症(卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は一般不妊治療が無効であるものであって、これまで反復して着床又は妊娠に至っていない患者に係るものに限る。)

 

審議中もしくは審議予定

先進医療A 該当なし

 

先進医療B

  • 着床前胚異数性検査(大阪大学医学部附属病院)
  • 着床前胚異数性検査(徳島大学病院)

 

先進医療を受けるには?

先進医療を受ける場合も、一般的な保険診療を受ける場合と同様、被保険者証を提示します。

ただし、先進医療は保険適用とはならないため、患者自身がそれを理解した上で治療を希望することと、医師が治療の必要性と合理性を認める必要があります。

 

不妊治療の先進医療にかかる費用の助成事業はある?

東京都をはじめ、いくつかの自治体では不妊治療における先進医療にかかる費用の助成事業を行っています。

助成の割合や上限額は自治体によって異なり、都や県の助成事業に加え、市町村独自の助成を上乗せして受けられる場合もありますので、お住まいの自治体のHP等で確認してみてくださいね。

[参考]【お知らせ】東京都特定不妊治療費(先進医療)助成事業の開始について

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