2025年6月16日に開催された第69回子宝カウンセラーの会(統合医療生殖学会)は、不妊治療に関わる多くの専門家の方々が集まりました。
今回は、特に「生殖機能温存を重視した婦人科手術」と「繰り返す着床不全への多角的対策」に焦点が当てられ、実践的な知見を豊富に得ることができました。
婦人科手術の進化

会の冒頭では、芦屋ウィメンズクリニック院長の錢 鴻武先生が、不妊治療における婦人科手術の重要性と進化について講演されました。
先生は、子宮筋腫や子宮内膜症、骨盤臓器脱など、不妊に影響を与える婦人科疾患の治療において、単に病気を除去するだけでなく、将来の妊娠可能性を最大限に温存することが極めて重要だと強調されていました。
錢先生は、腹腔鏡手術の最大のメリットは、単に傷が小さいことだけではないと指摘。拡大された視野で、肉眼では見えないレベルで病変と正常組織の境界を明確に区別し、ミリ単位で精緻な手術を行うことで、卵巣や子宮へのダメージを最小限に抑え、生殖機能温存に繋がる真の利点であるとお話しされました。
具体的な卵巣嚢腫や子宮筋腫の手術動画を見せてくださり、その高度な技術と患者さんへの配慮が伺えました。
また、日帰りの子宮鏡手術へのこだわりや、患者さんの時間的・身体的負担を軽減するための取り組みも紹介され、患者さんファーストの医療が実践されていることに感銘を受けました。
東洋医学と西洋医学の融合

続いて、ショウキ先生が「反復移植失敗対策」と題し、現代の不妊治療で直面する新たな課題、特に繰り返す着床不全についてお話されました。
ショウキ先生は、保険適用開始以降、何回も移植に失敗するケースが増加している現状を指摘。
その背景には、卵子の質の低下だけでなく、子宮内膜の問題、ウイルスや細菌感染、アレルギー体質、環境ホルモンの影響、さらには過剰な栄養摂取など、多岐にわたる要因が絡み合っていることを解説されました。
さらに、東洋医学の視点から、「湿熱(しつねつ)」や「瘀血(おけつ)」といった概念を用いて、慢性子宮内膜炎や着床障害の原因を分析。
体質改善のための漢方薬として、「防風通聖散」や「桂枝茯苓丸」、「黄連解毒湯」の活用法が紹介されました。
西洋医学では対処が難しいとされる感染症や免疫の過剰反応に対しても、漢方薬が効果的なアプローチとなり得ることが示唆され、東洋医学と西洋医学の知見を統合した、新しい治療の可能性が示されました。
不妊治療の未来へ向けて
今回の第69回子宝カウンセラーの会は、不妊治療の最前線で活躍する専門家の方々が、それぞれの専門分野から深い知見と実践的なアプローチを共有する、大変有意義な場となりました。
会の最後には懇親会が行われ、北は北海道、南は沖縄まで全国各地から集まった先生方とお話することが出来ました。
このように対面で集まるのは久しぶりで、リアルで意見交換することの大切さを再確認しました。
精緻な手術による生殖機能の温存と、東洋医学も取り入れた包括的な体質改善という二つの柱は、複雑化する現代の不妊治療において、患者さん一人ひとりに寄り添い、より良い結果へと導くための重要な要素であると強く感じました。
不妊治療に関するご相談や、ご自身の体質に合わせた治療法についてご興味がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください♪
